● メンタル不全による休職からの復職
「うつ病」や「もえつき症候群」は人を助ける職場、医療・教育・カウンセラーなどの援助職におこりやすいといわれています。実際にメンタル不全の状態になったことがある人は6人に一人といわれています。一度メンタル不全になってしまうと、職場への復帰に3か月から1年ほどかかるといわれています。
「休職と復職を繰り返してしまう」
もともと責任感が強く、生真面目な方がなりやすいですから、回復の兆候が見られるようになると「一刻も早く現場復帰しなければ」と不安と焦りから中途半端な状態で無理して復職したことで、再び症状が悪化してしまい、再び休職と離職を繰り返してしまう悪循環に入ってしまいます。
何度も休職してしまうことで、次第に自信と生きる気力を失い、命を絶ってしまう方もいます。大切なのは休職と復職を繰り返す悪循環を断ち切ることです。
「完全復活するためには一度で復職を成功させること」
メンタル不全で休職した人が、完全復活するためには、『一度で復職を成功させること』がカギになります。
メンタル不全からの復帰は、「専門科医」と「職場の産業医」の双方で復職可能かどうかを評価します。ここに「食い違い」があるために復職を失敗しています。
なぜかというと、「専門科医」は日常生活(家庭内の生活)が出来る程度に復活しているかどうかに「復活のライン」を設けます。そのため、『厳しい看護の業務に耐えられる状態かどうか』というラインまで達していないのにゴーサインが出てしまうわけです。
また、本人も『一刻も早く復帰しなければ』という焦りと不安が募り、なんとなく自信がない、まだ不安が残る状態であっても無理して現場に復活しようとします。
そのため、実際に現場に復活した時に、『新しい人間関係を築く』『新しい仕事環境に慣れる』『過酷な業務に耐える』という負荷に耐えられず、再び休職してしまうということになります。
この、日常生活レベルの回復から、職場に復帰のレベルまでのギャップをうめ、組織的・段階的に復職を支援する「リワークプログラム」を利用しましょう。
● リワークプログラムをしっかりと受けて完全復活を
リワークプログラムは、メンタル不全から回復しそろそろ職場に復帰してもよいだろうと医師から診断をもらった後に、『職場に適応できるまで段階を設けて次第に心と体を慣らしていくプログラム』のことです。
メンタル不全から回復したばかりの頃が最も自殺率が高くなるといわれています。「回復と希望を強く感じ始める」と、それ以上に「不安と焦り」が強まっていくからです。また、回復したことによって、自分の望みを遂げられる体力がついてしまうということもあります。
「最も大切で周囲のサポートが必要な時期」ですから、リワークプログラムを受けて専門家の助けを得ることが必要です。
一度で復帰を成功させると、メンタル不全が起こりにくくなります。
専門家の指導の下、行政・医療・民間の『リワークプログラム』をしっかりと受けましょう。一つ一つ作業や研修を受け、自信を積み重ねていくことでかつての自信がよみがえってきます。職場でも『適応しやすい職場環境』や成功させるための支援チームを作ってあなたを支援してくれますから、周囲の助けを素直に受け入れながら、一つ一つ自分自身を丁寧に取り戻していってください。焦りが最も禁物です。
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★「心の耳」
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/attentive/008.html
★職場復帰のガイダンス
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/return/worker/
★職場復帰をいかに支えるか
⇒ http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2010/08/pdf/074-085.pdf
★リワークプログラム
⇒ http://kokoro.mhlw.go.jp/case/hukki/
★リワークプログラム
⇒ http://www.tsuduki-mental.com/rework/index.html